民泊について
さて、もう随分寒くなってきましたね。
今年の夏は暑かったのでエアコンなし物件は客付けに苦労しておりましたが、暑さも落ち着き、エアコンなし物件の反響が増えてきた今日この頃です。
さて、今回は民泊についてのお話をさせて頂きます。
一部のオーナー様にはお話したこともあるのですが、実は当社は民泊業をやっています。
※民泊代行業ではありません。
民泊の実績も増えてきましたので、お話したいと思います。


1.民泊の基本
民泊を始めるには、まず自治体への施設の届出が必須です。
次に、建物に関する大きな条件として、必要な消防設備の設置と消防法令への適合が求められます。
さらに、年間宿泊日数は180日以内に制限され、住居専用地域や学校の近くでは営業できないなど、立地条件にも細かいルールがあります。
ただこれらをクリアしていればOKかと言うと、事業として成立させるためにはこれら以外の要素も重要です。
ここでは、代表的な「立地、間取り、構造」について解説していきます。
●立地
民泊はホテルの代替となるため、基本的には札幌の中心部に近いほど有利です。最高の立地は札幌駅〜中島公園駅周辺ですが、必ずしもこれらの駅の近隣である必要はありません。
●間取り
ホテルの代替として考えるなら、部屋の広さは非常に重要です。一般的なホテルと同じ20㎡未満の広さでは、競争に勝てません。したがって、単身物件であればワンルームや1Kといった狭い間取りでは苦戦する可能性があります。広さや豪華さでホテルと差別化する必要があります。
また、2LDK以上の間取りなら、複数家族での宿泊が可能に。これはコンドミニアム的な利用となり、ホテルとは違う宿泊体験を提供できるため、大きな差別化ポイントになります。
●構造
基本的に木造は避けるべきです。数日間の宿泊では、お客様が羽目を外して騒ぐこともあり、木造だと騒音問題に発展するリスクが高くなるためです。
2.民泊と一般賃貸
「一般賃貸」と「民泊運用」のどちらが儲かるかという点ですが、当社の場合は明らかに民泊運用の方が利益が出ています。ただし、どんな物件でも民泊の方が儲かるわけではありません。
民泊の成功可否は、立地、間取り、グレードに大きく依存するため、安易に民泊へ移行するのは避けるべきです。
民泊を始める方法は「①賃貸物件を借りて民泊を行う」と「②所有物件で運用する」のいずれかです。
結論から申し上げると、賃貸物件を借りて、民泊運用することはほぼ不可能です。
騒音などによる既存住人への影響から、民泊転貸は基本的に断られます。
(そもそも人に貸して民泊をされるくらいなら、オーナー自身でやった方が良いでしょう。)
民泊へ転貸可能な賃貸物件を借りられたとしても民泊需要が低い物件に限られると思います。
(当社管理物件でも民泊目的の賃貸はお断りしています。)
したがって、これから新規で民泊業を行うことを考えるなら、所有物件で始める必要があります。
物件を所有していない場合、民泊転用できそうな物件を新規で購入するのは有効な手段です。例えば、築浅RC物件で利回りが6%台の状況でも、民泊転用できれば利回りを大きく引き上げられる可能性があります。
ただし現実には、中央区などの好立地では売り出し物件が少ないのが現状です。また、新規民泊物件や、ホテルの供給が増えており、今後民泊物件の競争が激化するしょうから、民泊による収益見通しはある程度厳しめにシミュレーションしておいた方が無難かと思います。
ちなみに当社も所有物件にて民泊運用を行っています。
3.民泊コスト
●イニシャルコスト
リフォーム費用を除いた初期投資額は、民泊代行会社に全て委託する場合で、1LDKで100〜150万円、2LDKで200万円程度です。この費用には主に家具・家電の購入、Wi-Fi環境の整備、初期備品(リネン類、アメニティなど)の調達、消防設備工事費、そして民泊の届出費用が含まれます。
万が一運用に失敗しても、生活に必要な設備と共通している部分が多いため、一般賃貸へ容易に戻せる点が最大の強みです。家具の撤去や簡易な清掃を行うだけで、すぐに賃貸募集へ切り替えられるため、撤退リスクが非常に低いと言えます。
●ランニングコスト
売上の約50%がランニングコストに充てられます。
内訳は、AirbnbなどのOTAサイト手数料、民泊代行会社への手数料、光熱費、宿泊後の清掃費用などです。駐車場がある場合はシーズン除雪費もかかります。
OTA手数料は売上の15%前後、代行手数料は売上の20%〜30%程度が相場のようです。光熱費については札幌では冬場の暖房代がかさむこともあり、当社実績だと売上の8%程度です。
これらの費用を差し引いた残りの約50%が利益の目安となります。
※賃貸物件の場合の家賃は考慮していません。
3.ご所有物件での民泊検討について
「今所有している物件の収益をもう少し上げたい」「空き部屋を民泊に転用できないか」といったお悩みをお持ちのオーナー様も多いことと思います。民泊は、賃貸運用に比べて高い収益性を実現できる可能性があります。
当社は賃貸管理を専門としており、民泊代行会社ではありません。そのため、代行会社が行うような詳細な専門シミュレーションの提供はしておりません。しかし、当社自身が所有物件で民泊を運営してきた経験があります。その実践で培った知識をもとに、オーナー様の物件が民泊に適しているか、どのような立地・間取りなら競争に勝ちやすいかなど、現場目線の具体的なアドバイスを提供することは可能です。
物件の平面図や現在のレントロール(賃料一覧)をご用意いただければ、そのご所有物件のポテンシャルについて率直にお伝えいたしますし、当社の民泊運営に関しての実績をご紹介することも可能です。まずはお気軽にお問合せ下さい。
また、収益最大化の検討と並行して、「現在の賃貸管理に課題がある」「入居率が伸び悩んでいる」といったオーナー様からのご相談も大歓迎です。民泊と賃貸管理の両面から、貴社の物件運用をサポートいたします。
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