収益物件購入時における市場調査の重要性
ついに積雪量が0センチになりました。去年の今頃は80センチくらいあったようですし、平年でも40センチくらいは残っているようなので今年の雪解けの早さは異常です。
ロードヒーティングのスイッチも落としてしまいました。
さて、収益物件を購入するとき、どんな情報を確認されますか?
価格、利回りから始まり、立地、構造、築年数、世帯数、駐車場の有無、賃料、入居状況、間取り図、といったところでしょうか。これらの情報は1枚物の物件資料(ファクトシート)を見れば一通り載っています。
私も基本的には同様であり、手持ちの自己資金と睨めっこしながら、購入できる価格レンジの中で、利回りを意識しつつ、良さそうな物件を探しています。
そんな中、とある収益物件サイトで偶然見かけた物件を買いかけました。
(「買いかけた」ということは、結局買わなかったわけですが)
他から申し込みが入ったのだと思いますが、既に情報は取り下げられています。
あまり詳細情報を載せるのも良くないので、ざっくりの情報を記載しますが、
・価格5,000万円以下
・地下鉄駅5分以内
・1LDK
・木造。築後15年程度
・利回り9.5%程度
・現状満室
・告知事項等もなし
収益物件を探している方が見ればわかりますが、今の相場観で言えば、かなりのお買い得物件と思います。木造で残存が残っている物件で利回り9%台はほぼありません。
たまに旗竿地だったりとか私道接道の物件とかで相場より安い物件が出てきますが、この物件はそうではありません。普通の物件です。
当初この物件を見つけたときは、「これは掘り出し物!」とすぐに掲載元へ問い合わせ。まだ申し込みは入っていないとのこと。すぐに資料を取り寄せました。間取り的にも特段弱い部分はなさそうです。
銀行審査も必要でしたが、価格や物件的には審査は通ると思い、「まず買い付け入れないと、他に先越される!」ということで、せっせと申込書の準備。それと並行して、近隣賃貸仲介業者へのヒアリングを社員に依頼。
申込書が完成するころに賃貸仲介業者へのヒアリングが完了。
ヒアリング結果を社員から聞いて、、、購入やめました。
やっぱり聞いてみないと分からないものです。
【賃貸仲介会社の意見】
・この駅の単身需要は少なく、2駅隣の●●駅に単身需要を根こそぎ持っていかれているイメージ
・学生の需要もなくはないが規模が決して大きくないので、どの物件も10月になったら3月契約の家賃スライドを始めて学生の取り合いをしてる。
・物件的には悪くはないので決まるは決まると思います。
とのこと。
3月末に退去が発生したら、当たり前のように6か月とか空いて、10月になったらスライド始めて契約開始が3月、みたいな悪いイメージが出来上がりました。
決してこの地下鉄駅にネガティブな印象を持っておらず、一般的にはそこそこ人気のあるエリアと感じていました。
金融機関やスーパー等も揃っていますし、生活利便性に不足はありません。実際多くの方がこのエリアにネガティブな印象は持っていないと思います。
ただ、「単身需要」ということで考えると厳しいらしいのです。
今回のように掘り出し物件が出てきた時に、市場調査なんてやっている時間はないかもしれませんが、買い付け入れてからでも良いので、仲介会社へのヒアリング等を行うべきです。仲介会社の意見に振り回されるのも良くないかもしれないので直感は大切にしたほうが良いかもしれませんけどね。
いずれにしても、ほとんどの方が掲載されている情報だけを頼りに購入を判断し、そのまま引き渡しになっているのではないでしょうか。
価格も安いですし、数年所有して売却すれば大きな損失にはならないと思います(収益物件の相場が今と変わらないなら)。
また、良い意味で期待を裏切って高い入居率を維持できる可能性も勿論あるとは思いますので、購入される方はうまくいけば良いなと思います。
賃貸経営で絶対にコントロールができないのが、立地です。
その立地の賃貸需要さえあれば、家賃を下げたり、付加価値上げたり、色々と工夫余地がありますが、立地だけは変えられないので賃貸需要がない立地となるとどうしようもありません。そして地下鉄駅徒歩5分以内ならどうとでもなると考えている方が多いと思いますし、私自身もそう思っている節がありましたが、決してそうではないことも分かりました。
「この物件買いたいんだけどどう思う?」というご相談は承っております。
(もちろん管理をお任せいただくという前提です)
仲介業者の営業マンがなかなか捕まらないこともありますのですぐに回答できないこともありますが、お気軽にご相談頂ければと思います。
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