不動産管理業界と当社について

今回は、いつもと切り口を変えて不動産管理業界(主に労働環境)についてお話をしたいと思います。
まず、ここでいう不動産管理は、賃貸マンション、賃貸アパート等の管理業という前提でお話しします。
分譲マンションの管理や、駐車場の管理、ビルメンテナンスは除外します。
1.札幌の不動産管理会社について
首都圏と比べて、札幌の場合は零細中小の管理会社の比率が高いと言われています。
札幌の管理戸数トップが常口アトムで約5.7万戸。次いでビッグが約2.3万戸。以降、タカラ、三光不動産、ファクターナインが1万戸を超えておりますが、1万戸を超えているのは僅か5社です。
5,000戸前後の中堅会社はそれなりにありますが、傾向としては新築企画を行っている会社が多いのが特徴と思います。
そして、管理戸数1,000戸前後の零細中小会社が多数あるという状況で、当社もここに位置しています。
また規模に関わらず、不動産管理業と賃貸仲介業の2足の草鞋で経営している会社様も結構多いです。
(ビッグ、アパマンショップ、ピタットハウスの仲介店の多くがフランチャイズです)
2.不動産管理業界が抱える悩み
どこの業界でも同じかと思いますが、人手不足ではないでしょうか。
特に、成長が著しい会社の多くが人手不足に陥っており、急成長→大量採用→出来る社員にしわ寄せ→出来る社員が退職→若手にしわ寄せ→若手も退職→大量採用という循環になっている会社が多いです。特に3,000戸~5,000戸クラスの管理会社がこのスパイラルに陥っていると聞きます。
一人当たり1,000戸近くを担当している会社もあると聞きますが、残業も多く精神的に参ってしまう人も多いと聞きます。私の経験上、どんなに生産性を上げたところで、また業務の多くを外注化できたとしても、一人で1,000戸を見るのは不可能だと思います。
3.不動産管理業界の労働環境
不動産管理業界の特徴として、年間休日が少ないという特徴があります。
入居者様の対応や、仲介会社との対応等を考慮し、土日祝に電話対応できるスタッフを配置している会社では休日が少ない傾向にあります。
札幌の不動産管理会社の求人情報を見る限り、年間休日は、概ね105日~110日程度が一般的のようです。
年間休日を明記していない会社も沢山ありましたが、その多くは4週6休、4週7休と謳っていました。
ちなみに当社は、年間休日は現状115日となっており、業界平均よりは上に位置していると思います。
ただ、来年以降、これを更に充実させたいと考えており、検討の真っ最中です。
あとは、当社の場合は有給休暇の取得も積極的に推進しており、2025年4月から2025年10月末までの取得率は55%となっています。
昨年と今年に入社した中途社員が、それぞれ6月と9月に年休が付与された状況を考えれば、高水準の取得率と思います。実際、2024年度は89.1%、2023年度は92%と高水準でした。今後も継続して年休取得を推進していきます。
次に残業について。
各社がどれくらい残業しているかというのはあまり聞いたことはありませんが、当社はほぼ残業はありません。社員は皆17時30分の終業時刻になると、パソコンを閉じて帰り支度をします。
この状況について、「人的リソースをフル活用できていない(=余力がある)」と捉えることが出来るかもしれませんが、私としては余裕代を常に持った方が良いと考えています。
最後に給与について。
給与は、不動産売買仲介や不動産賃貸仲介の営業職に比べると、見劣りするケースが多いです。
不動産売買仲介や不動産賃貸仲介の営業職では、売り上げが多いとインセンティブがつきますので、出来る社員は給与は上がって定着し、出来ない社員は給与は上がらず、結果的には離職するケースが多いです。
また、向き不向きもあります。
仲介の営業職は、3か月単位、半年単位、1年単位等で予算を持たされます。期間を過ぎると予算はリセットされるので、予算達成レースを一定期間ごとに再スタートする感じです。
私は売買仲介の営業マン時代、決して売り上げは悪くなかったですが、この予算達成レースの繰り返しというのが性格的に合いませんでした。
また、基本的に土日祝は仕事になるので家族と休みが合わなくなります。これも人によっては不都合だと思います。
逆に不動産管理会社の場合は、予算を持たされるケースは少なく、地道に積み上げたものが評価される傾向にあると思います。そういうのを好む方には管理会社で働くのも良いと思います。
今回は不動産管理業と当社について、労働環境を切り口にお話ししてみました。
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